ごつごつした骨

日記です

絵を描くのが好きな女の子は看護師にならない方がいい

タイトル通りだが、教室の隅で絵を描いたり本を読んだりして過ごしていたような女の子には将来看護師になることをお勧めしない。クラスの隅で絵を描いたり小説を読んで過ごしていた女の子だった私が看護師になった結果思ったことである。「看護師は国家資格だし、資格もってれば食いっぱぐれないし」とか「親が看護師だから」などのふんわりした理由で看護師になろうと思っている内気な女の子にはどうかよく考えてほしいと思う。

「クラスの隅で絵を描いたり読書をして過ごすのが好きだった女の子、看護師に向いていない説」について大きく三点に分けて考察していく。


①コミュニケーション能力の重要性

まず示したいのは、看護師という仕事には特にコミュニケーション能力が必要だということだ。もちろん、世の中のどの職業においてもコミュニケーション能力はある程度必要だと思う。看護師は関わる対象が患者や患者家族、医師、他の医療職や事務員などの様々な人と接しなければならず、そのあたりが内気な人には特に向かないのではないかと思う。人見知りであったり内気であったりする方にはおすすめできない。こちらの話の通じない家族は思ったよりも多い。そのような理解力に欠けるような家族だとしても治療方針などの重要な話し合いをしなくてはならないため、コミュニケーションスキルは重要と言えるだろう。また、患者も気難しくアクの強い性格の人が少なからずいるため、実はラウンドしたりコール対応するにもかなりの根気が要る。



②積極性が求められる

また、看護師一年目はなにかと「積極性」というものが求められる。積極性とは、「進んで何かを行おうとする性質」という意味だそうだ。

やはりなんだかんだ言っても看護師は国家資格であり専門職、専門的な知識と技術が求められる職業である。解剖生理やさまざまな病気の知識、看護技術やコミュニケーション技法等々、身につけなければならないものが多岐に渡る。

新人看護師のうちは、まだまだまっさらな状態のため病気の勉強はもちろんのこと、看護技術を身につけていくということが非常に大切らしい。「看護は実践の科学」という言葉があるように、看護技術は繰り返し行っていかなければ身につかないのである。これは私も身をもって感じたことだ。少しでも多く技術を会得するためには多くのトライアンドエラーが必要なのであるが、ここで積極性というものが効いてくるのだ。経験したことのない技術を行う前には「〇〇やらせてください」と言え、というのを先輩方にとにかく何度も言われるのだが私はこれができず、積極性がないと繰り返し注意を受けた。新人なのだから多くの看護技術を経験することは重要である。当然のことだ。だが内向的な人間にはこれがいかにハードルが高く、エネルギーを要する行動であるか。これが受動的な人間にはなかなかにしんどいため、こういった行動が苦手な方にも看護師はおすすめできない。一年目のうちから潰れてしまう。

勇気を出して「〇〇やらせてください」を言い出せたとして、実施までこぎつけても、実施前の要点や注意点についての質問攻めや実施後の先輩からのアドバイスでもダメージを受ける。もちろん先輩方は良かれと思いアドバイスをしてくれていてとてもありがたいのだが、何となく自分が責められているように感じてしまうこともある。私がそうだった。


③体力がないときつい

シンプルな理由だが、三交代・二交代の不規則勤務に耐えうる体力がなければ、看護師として働くのはなかなかにしんどい。私は学生時代ずっと文化部であったため体力は皆無に等しく、ヘトヘトになって帰宅する毎日を送っている。

日勤帯はほぼ歩きっぱなしで夕方には足が棒になりそうなほど浮腫むが、夜勤も夜勤でめちゃくちゃくたびれる。二交代制でしか働いていないため、三交代のことはよくわからないのだが、二交代制の夜勤はとにかく勤務時間が長いため、夜勤明けにはかなり疲労が溜まる。三交代制のシフトであれば準夜勤の翌日に日勤という狂ったシフトが作られることもあると聞く。体力のないもやしっ子には、帰宅して自己学習や課題をやるなどほぼ無理と言っていいのだが新人看護師のうちはそれを強制させられるため心も体もボロボロになりがちだ。


以上が、「クラスの隅で絵を描いたり読書をして過ごすのが好きだった女の子は看護師を目指さないほうがいい」と考える理由である。私のような性格の人間が看護師を目指すと辛い目に遭うことは約束されているので、同じような辛さを味わう人がいなくなれば良いなと思いこの記事を書いた。私は気が弱くて内向的な性格で積極性に欠ける人間なので本当にしんどい。早く看護師を辞めたいと思う。

ただ看護師が天職という人間は確かにいるし(嫌味ではなく素直にすごいと感じる)病気や怪我と戦う患者の手助けができたり、望む死を迎えるために尽力したりということができる看護師は他にない素晴らしい職業であるとは思う。強い信念がある方には、どうか良い看護師を目指してほしいと思う。